財団法人埼玉県下水道公社設立趣意書

　下水道は、生活環境の改善、公共用水域の水質保全等を主な目的とする公共施設で、住民が健康で文化的な生活を営むために不可欠の重要なものである。そのため、下水道の整備は、行政上の重要課題として論議され、その積極的な推進が強く要請されているところである。
　本県においても、県、市町村ともに下水道の整備に積極的に取り組んでいるとこであるが、特に流域下水道の整備については、全国に先駆けて広範囲にわたつて進められている。したがって、今後、本県の下水道普及率は急速に向上するものと考えられる。
　しかしながら、この下水道も、適切な維持管理が行われなければその機能が十分に発揮されないものである。下水道の維持管理については、施設が終日稼動であり各種の専門技術者を含めた多くの人員を要すること等の施設の特性から、種種の問題が生じている。それに加えて、汚泥の処理方法が確立されていないこと等の技術的問題、更に、水利用の高度化、汚泥の再利用等の要請にどのように対処するかという問題があり、これらの問題に対する対応が今後の重要な課題となっている。
　本県では、これらの課題について十分検討を行った結果、関係市町村の協力を得て、財団法人埼玉県下水道公社を設立することとした。同公社は、県民の生活環境の改善を図るため、県民の下水道に対する知識の啓蒙を行うとともに、流域下水道終末処理場等の維持管理の受託を行う等下水道に関する施策に協力し、もって県民の福祉の向上に資することを目的とするものであり、その目的を達成するための事業として、下水道知識の普及及び啓蒙、汚水及び汚泥の処理方法についての調査及び研究、流域下水道終末処理場等の維持管理業務の受託、公共下水道の水質分析等技術的業務の受託等を行うものである。
　以上のような主旨で、財団法人埼玉県下水道公社を設立しようとするものである。

（注）平成24年4月1日より埼玉県下水道公社は公益財団法人に移行しています。